Kenji Yanobe Supporters club

現代美術家ヤノベケンジの活動情報です。(運営:KYSC)

琳派の神々が降臨する植物園「P ANTHEON(パンテオン)―神々の饗宴」展

琳派 400 年記念企画展覧会
「PANTHEON(パンテオン)―神々の饗宴」展

京都府立植物園「鏡池」

ヤノベケンジ×増田セバスチャン×高橋匡太

琳派によって描かれた風神・雷神、そしてフローラ(花の女神)が、400年の時を超えて、パンテオン(万神殿)である京都府立植物園に降臨します。会期中、太古の神話のように、神々が登場してきます。是非、季節によって変わりゆく植物の鑑賞と合わせてご来園ください。

序章 「雷神—黒い太陽」2015 年5 月 26 日より

1章 「フローラ降臨」7 月 25 日より

2章 「風神の塔」8 月14日より

最終章 「New Generation Plant」9 月中旬より

髙橋匡太によるライトアップ饗宴 ※仲秋9月27日(日)~10月11日(日) 夕刻

ヤノベケンジ《雷神-黒い太陽》

京都府立植物館は、もともと上賀茂神社の社領地です。上賀茂神社祭神は、賀茂別雷大神であり、雷の神様です。雷は地球の気体が電離して放電するプラズマ現象ですが、太陽もプラズマ現象を起こしています。雷は「神鳴り」が語原であり、太古から神様が起こす現象だと思われていました。《雷神-黒い太陽》は、人工的に雷を発生させる装置を備えており、地上に降り立つ雷神を表現しています。

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ヤノベケンジ+増田セバスチャン《フローラ(花の女神)》

フローラは、ローマ神話における花の女神です。それにちなみ、植物相を表すFloraの語原になっています。《フローラ》は、京都府立植物園の植物に宿る神様です。そして、睡蓮の咲き乱れる「鏡池」に置くことで、三十三間堂の中心にあって、蓮華座に座る千手観音のように、すべての花や植物のシンボルの女神として表現しています。

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ヤノベケンジ《風神の塔》

広大な敷地を持つ京都府立植物園の数多くの植物は、賀茂川から引かれた水によって生育しています。《風神の塔》は、風車が生み出すエネルギーによって、その水を吸い上げ噴き出すことで、生命を育む水の循環と浄化を表しています。同時に、水の起源である風雨をもたらす風神を表現しています。

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「PANTHEON(パンテオン)-神々の饗宴-」 "三神夜覧"~夏のライトアップ~

京都府立植物園では、風神(風神の塔)、雷神(雷神-黒い太陽)、フローラの三体の神々が降臨したことを記念し、特別夜間開園を行い、下記のとおり夜間展覧、 "三神夜覧"を開催します。なんと入園無料です!

以下の8日間 特別夜間開園 18:00~20:00

8月14日(金)、15日(土)、16日(日)

※8月16日(日)のライトアップはありません。ご注意くださいますようお願いします。

8月21日(金)、22日(土)、23日(日)

8月28日(金)、29日(土)、30日(日)

◎会場:京都府立植物園「鏡池」エリアのみ
(入門は、正門と北山門のみとなります)

ヤノベケンジ(彫刻)、増田セバスチャン(装飾デザイン)、高橋匡太(ライティング)の夢の饗宴です。
※最終章「New Generation Plant」(増田セバスチャン)9月中旬~
 髙橋匡太によるライトアップ饗宴 ※仲秋9月27日(日)~10月11日(日) 夕刻

琳派400年記念祭「PANTHEON-神々の饗宴-」@京都府立植物園 プロジェクト概要発表 - Kenji Yanobe Supporters club

 

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《ラッキードラゴン》「水都大阪2015」の掲載記事

www.sponichi.co.jp

ラッキードラゴンの復活「水都大阪2015」

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 撮影:塚正玲子

minami-fes.jp

水都大阪2009」とラッキードラゴン


《ラッキードラゴン》は、2009年に「水の都」の再生を目的に、官民一体の都市型博覧会として開催された「水都大阪2009」において、大阪の河川を泳ぎ回り、福を呼ぶドラゴンとして制作されました。そして、船舶の上に銀色のドラゴンを乗せ、中之島や道頓堀、木津川河口などを巡航しました。さらに、長い首を上下に昇降しながら、時に火炎を噴いたり、水は吐いたりするパフォーマンスを行い、沿岸にいた人々に注目されるとともに、多くのメディアに取り上げられ大いに話題となりました。

 

ラッキードラゴンの由来

《ラッキードラゴン》が制作された直接的なきっかけは「水都大阪2009」ですが、それ以前から《ラッキードラゴン》の構想は始まっていました。というのも、《ラッキードラゴン》の名前は、「第五福竜丸」に由来しているのです。「第五福竜丸」とは、1954年にビキニ沖環礁でアメリカの水爆実験で被曝した、遠洋マグロ漁船の名前です。

ヤノベケンジは自作の放射能防護服《アトムスーツ》を来て、チェルノブイリを訪問する「アトムスーツ・プロジェクト」を敢行しており、それ以降も核と対峙しながら、作品を制作してきました。

その縁もあり、2003年に国立国際美術館で大規模個展「MEGALOMANIA」を開催した頃より、第五福竜丸が展示されている、都立第五福竜丸展示館の館長から作品展示の依頼を受けていました。そして、2004年に都立第五福竜丸展示館で開催された「コラブシンク・ヒストリー」展に、子供用の核シェルターとなる作品「森の映画館」を出品しています。

 

3.11とラッキードラゴン


その後、《ラッキードラゴン》は、船舶と切り離された形で、2010年に福島県立美術館で開催された「胸騒ぎの夏休み」展に出品されます。ご存知のようにその後の2011年3月11日に東日本大震災福島第一原発事故が起こりました。福島県立美術館は約1ヶ月、休館となりましたが、4月に再オープンする際に、《ラッキードラゴン》の構想段階の模型、《ラッキードラゴン構想模型》を常設展示し、2011年の夏には放射能汚染によって野外活動が制限された子供たちのために、船型の構想模型に日本中から人形を集めて乗組員として乗せ、子供たちと一緒に人形にバルーンをつけて空に飛ばすワークショップ「トらやんの空飛ぶ箱船大作戦」を行いました。
2012年には、「建造65周年記念 第五福竜丸からラッキードラゴンへ―核なき世界へ航海を―」展に、復興・再生のモニュメントである子供像《サン・チャイルド》や水都大阪2009をテーマにした絵本『トらやんの世界 ラッキードラゴンのおはなし』から、ラッキードラゴンの絵を、第五福竜丸の甲板に展示したりしました。

 

再び水都大阪へ


船舶から切り離された《ラッキードラゴン》は、なにわの海の時空館で、2011年から2013年の間「ラッキードラゴン リターンズ」として展示されていました。しかし、なにわの海の時空館の閉鎖に伴い、おおさか創造千島財団の巨大アート作品の収蔵庫兼展示施設、MASK (MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)に収納されていました。そして、この度、一本松海運株式会社の尽力により、「水都大阪2015」において、6年ぶりに船舶として復活することになりました。
《ラッキードラゴン》は、震災を経て、河川を泳ぐだけではなく、地震原発事故を鎮め、水の安全を取り戻す祈りが込められています。再び福を呼ぶドラゴンとなり水都大阪が復活し、活性化することを願っています。

 

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 撮影:塚正玲子

 

参考文献

 

ヤノベケンジ ULTRA

ヤノベケンジ ULTRA